■プラセボとは

見た目や味、臭いは普通の薬とまったく区別がつかないのに、薬となる有効成分を一切含まないものを「プラセボ」または「偽薬」といいます。反対に、薬となる有効成分を含むものを「実薬」といいます。

■プラセボの役割

薬を使用すると、身体には、その薬の持つ作用に応じた効き目があらわれます。ところが、人のからだは時として、「薬を使った」という事実だけで、実はそれがプラセボだったとしても、実薬を使ったときと同じような反応を示すことがあるのです。
「病は気から」ならぬ「薬の効き目も気から」といったところでしょうか。これを「プラセボ効果」といいます。

治験では、ある人(Aさん)には実薬を、別のある人(Bさん)にはプラセボを服用してもらい、それぞれの身体の反応を評価することがあります。Aさんにだけ薬の効果が出て、Bさんには何も効果が出なければ、この薬は効果がありそうだ、という評価をすることができるからです。

ところが、AさんにもBさんにも同じような効果が出てしまったとしたら…?

このように、治験で得られたデータが、はたして本当に薬の成分によるものなのか、それともプラセボ効果によるものなのかを判断するために、プラセボはとても大切な役割を果たしているのです。また、これらのデータを評価する際、先入観のない判断を下せるようにするため、多くの場合、薬を使用する被験者や、治験に関係するスタッフには、実薬、プラセボの別がわからないようになっています。

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